(1)藩祖秀元を開基とする古寺
●金屋町にある浄土宗の寺。長府藩祖毛利秀元を開基とし、西蓮社忠誉一得恵林大和尚を開山として永禄元年(1558)に建立。最初は恵称寺と称した。元和3年(1617)秀元の弟宮吉丸の霊位を安置し、その戒名により淨巖寺と改称。その後、明治5年(1872)さらに大乘寺と改め今日に至る。

(2)海峡に散った2人の奇兵隊士
●大乘寺墓地の最も奥まったところに、奇兵隊士、橋本虎吉・中村元之進二柱の墓石がある。
この両名は、慶応2年(1866)6月17日、四境戦争の小倉口の戦いにおいて、豊前田ノ浦から帰陣時の海峡渡海中に小舟が衝突して没したと記録されている。その内、中村元之進清忠は天保12年(1841)、吉敷郡陶の農家とある。一方の橋本虎吉については不明。